マレーシアでの出産を決意する際、あらかじめ覚悟しておかなければいけないことの一つに「外国人に囲まれて、一人で分娩に臨まなければならない可能性がある」という点があると思います。
というのも、普段の検診の際は、日本人の通訳さんに同席してもらうこともできますが、通訳さんが出勤しているのは、基本平日のビジネスアワーのみ。
よって、土日や夜間に陣痛がきて万が一家族が立ち会えない場合は、全て自分で、英語でのやり取りをしなければなりません。

そこで今回の記事では、自分の勉強と準備も兼ねて、陣痛が来る前に最低限覚えておきたい英単語と表現をご紹介していきます。
【9/17 産後追記】
実際に出産を終えてきましたが、この記事で紹介している単語・表現を覚えていれば、(英語面では)問題なく一人で出産に臨めると思いました。聞きなれない単語があれば、聞き直してGoogle 翻訳で調べればOKです。病院スタッフ側も日本人女性にそこまで高い英語力を求めておらず、医学用語などを使うときは、ドクター自らGoogle翻訳を使って説明してくれました。
一方、平日の日中であっても、通訳さんは常時分娩に付き添うことはできないため、ある程度の英語力は必須という風に感じました。
出産時に最低限覚えておきたい英単語‧表現
妊娠‧出産にまつわる英単語編
- おしるし
おしるしは英語で「Bloody show」です。「おしるしがあった」と文章にする場合には、「I had a bloody show.」と言うことができます。
- 破水
破水は英語で「Water breaking」や「Breaking of water bag」です。「破水しました」と文章にする場合は、「My water broke.」で通じます。
- 陣痛
陣痛は英語で「Labour Pains」です。陣痛は子宮の収縮により起こるので「contraction」という単語が使われる場合もあります。なお、「陣痛が始まりました」と文章で伝える場合は、「I have started labour pains (contraction).」や「I have regular labour pains (contraction).」が使えます。
- 胎動
胎動を辞書で調べると「Fetal Movement(胎児の動き)」という表現が掲載されていますが、実際の診察の際には「baby moves well?(赤ちゃんよく動いてる?)」のようにシンプルに表現されることが多いです。「しばらく胎動を感じないのですが・・・」と相談したい場合は「I couldn't feel my baby’s movement.」のように言えば通じると思います。
- 分娩室
Google翻訳を使うと、分娩室は「Delivery room」と出てきますが、マレーシアでは、「Labour room」という表現のほうが一般的です。
- 助産師
助産師は英語で「Midwife」ですが、場面に応じて「Nurse」や「Nursery」という単語が使われる場合もあるようです。
- 心拍数
心拍数は英語で「heart rate」です。分娩室に入ったら、陣痛の強さと赤ちゃんの心拍数を測る器具を装着するので、heart rateも覚えておいて損のない単語かと思います。
- 麻酔
マレーシアでは無痛分娩が一般的なため、分娩室に入って麻酔を打つ方も多いと思います。無痛分娩のために使われる硬膜外麻酔(背中に細いチューブを入れ麻酔薬を少しずつ投与する麻酔法)は英語で「epidural anesthesia」、またはanesthesiaを省略して「epidural」と呼ばれることもあるようです。両親学級では3種類の麻酔を組み合わせるという説明がされましたが、epidural以外には注射(injection)や吸入(mask)による麻酔を行うそうです。
なお、麻酔医は「Anesthetist」いいます。
- 帝王切開
帝王切開は英語で「Cesarean section」です。普通分娩を予定していても、緊急帝王切開が必要になる場合もあるので、念の為覚えておいたほうがいい単語です。これに対し、普通分娩は「Normal labour」「Natural birth」と言います。
- 感染症
分娩時には感染症が起こるリスクもあり、その場合は、抗生物質等が投与される可能性があります。英語で感染症は「Infection」、抗生物質は「Antibiotics」です。
- 会陰切開
会陰切開とは、分娩の終盤に赤ちゃんを膣から取り出すためにお母さんの膣と肛門の間の組織を切る処置です。英語では「Episiotomy」と呼びます。また、「a cut made in the perineum(=会陰)」という表現が使われる可能性もあるかもしれません。
- (分娩に関わる)体の部位
・胎盤: Placenta
・羊水: Amniotic fluid
・子宮: Uterine
・子宮口: Uterine opening
・子宮頸部: Cervix
・膣: Vagina
・尿道: Urethra
・肛門: Anus
・背中: Back
・腰: Low back
・お腹: Tummy、Abdomen
妊娠‧出産にまつわる英会話編
続いて、出産時に必要になりそうな会話表現をご紹介していきます。
多少文法の間違いはあるかもしれませんが、最悪意味が通じれば大丈夫なので、細かい間違いを気にせず、はっきりとした口調で伝えましょう。

- いつ陣痛が始まりましたか?
「いつ陣痛が始まりましたか?」は英語で「When did your labour pains begin?」、それに対する答えとして「陣痛は3時間前から始まりました」と言いたい場合は、「My labour pains started 3 hours ago.」と答えることができます。
- どれくらいの頻度で陣痛がありますか?
「どれくらいの頻度で陣痛がありますか?」は英語で「How often do you get labour pains?」、「6分間隔で陣痛があります」と答えたい場合は、「I have labour pains every 6 minutes.」と伝えることができます。
- 分娩室はどこですか。
「〇〇はどこですか?」という表現は「Where is 〇〇?」です。もし丁寧に聞く余裕があるなら、「Could you tell me where the labour room is?(分娩室がどこにあるか教えていただけますか?)」と聞きましょう。
- 痛いです。
「〇〇(体の部位)が痛いです」と伝えたい場合には、「My 〇〇 hurts.」「My 〇〇 pains.」「I have a pain in my 〇〇.」などの表現が使えます。
また、痛い部分をさすって(押して)ほしい時は、「Could you stroke (press) my 〇〇?」とお願いしてみましょう。
- 熱があるようです。
熱は英語で「Fever」、「熱があるようです」は、「(I think) I have a fever.」と言えます。なお、体温計を使いたい場合には、「Can I borrow a thermometer?(体温計を借りられますか?)」と尋ねるようにしましょう。
- 吐きそうです。
吐くという意味を表す英単語はいくつかありますが「気持ちが悪くて吐きそう」という場合には「I feel like throwing up(vomiting).」、「吐いてしまいました」という場合には「I threw up (vomited)」を使うのがよさそうです。ただ、Throwは発音が伝わりづらい可能性があるので、ジェスチャーを足したり、「May I have plastic bag?(吐きたいのでビニール袋をもらえますか?)」と補足したりするのが良いかもしれません。
- 我慢できません。
「我慢できません」にもいくつかの表現がありますが、「I can't stand (this pain)any more.(私はもうこの痛みに耐えられません)」が一番簡単で、お覚えやすいかと思います。
- 麻酔を追加してもらえませんか?
痛みが増して麻酔を追加してもらいたい時は「Could you add an (epidural) anesthetic?」と尋ねましょう。
- あとどれくらいかかりますか?
分娩の所要時間を聞きたい時は「How long will it take?」と尋ねることができます。
- 横になってもいいですか?起き上がってもいいですか?
出産中も体調の変化に応じて、ベッドに横になったり、逆に外を歩いて気分転換をしたりしたい場面も出てくるかと思います。横になりたい時は「May(Can)I lie down?」歩きたい時は「May(Can)I walk around?」と尋ねることができます。
- お腹を温めたいです。
お腹が痛くて、温めるための何かがほしい時は「I'd like to warm my abdomen. May I have a hot towl or something hot?」と聞くことができます。
- それはなんですか?それはどういう意味ですか?
説明を受けてわからないことがあったら、しっかり聞き返しましょう。「What's that?(それは何?)」や「What's that mean?(それってどういう意味?)」で質問することができます。また、意味を説明されても分からないような専門用語の場合は、「Can I use Google Translate?(Google翻訳を使ってもいいですか?)」と携帯を片手に質問するのも有効かと思います。
終わりに
海外出産の場合、「旦那さんの出張が多い」「家族が日本から応援に来れない(間に合わない)」などの理由で、一人で出産に臨む妊婦さんも少なからずいるのではないかと思い、今回の記事の作成を思い立ちました(私自身もその可能性に怯えている一人です。。)
私自身も出産前にこの記事を書いているので、足りない表現も多々あるかもしれませんが、微力ながらこの記事が役に立つこと、そして皆さんの海外出産がスムーズに運ぶことを願っています。
なお、別の記事ではエコー写真に出てくる英単語の解説もしていますので、もし興味のある方は、あわせてチェックいただければと思います。
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