無痛分娩の体験談 ~痛みはゼロ?副作用は?麻酔はどう打つの?などの疑問にお答えします~

この記事では、私が第一子を無痛分娩で出産した際の体験談をご紹介します。

無痛分娩を体験する前は、

本当に痛くないの?

副作用とかない?

麻酔自体は痛くない?

などなど不安があったので、この記事によって、これから無痛分娩で出産する方の不安や疑問が少しでも解消できれば幸いです。

無痛分娩を選択した理由

私が無痛分娩を選択した理由は、

マレーシアでは無痛分娩が一般的だから

です。

妊娠前に、日本人の知人から

マレーシアでは無痛分娩が一般的で、生理痛の少し強いくらいの痛みで産めて、値段も普通分娩+1~2万円程度らしいよ

という噂を聞いていたため、子供を産むならマレーシアで、無痛分娩で産みたいと、漠然と考えていました。

そして、いざ妊娠してみると、

✔︎ 担当ドクターは無痛分娩を推奨(出産時の体力消耗が小さく、産後の回復が早いため)

✔︎ 両親学級でも、無痛分娩は当然するものという前提で説明

と、マレーシアでの無痛分娩の浸透度を目の当たりにしました。

日本で無痛分娩が一般的でないことは認識していましたが、リスク等についてもインターネットで知識を得たり、実際に無痛分娩をした方の感想を聞いたりした上で「大丈夫そう」と思えたため、最終的に無痛分娩を選択しました。

無痛分娩の方法

私が出産をしたグレンイーグルス病院では、3種類の麻酔方法を使って無痛分娩を行っていました。

3種類の麻酔

  • 注射
  • ガスマスク
  • 硬膜外麻酔

注射

名前の通り、注射によって麻酔薬を打つ方法です。
後述する硬膜外麻酔よりは効き目が弱いそうです。

ガスマスク

こちらは、気体状の痛み止めを口から吸うタイプの麻酔です。痛みを感じた時に、自分で口にマスクを当てて、麻酔薬を吸入できるとのことです。

ちなみに、ガスマスクによる麻酔を使用したマレーシア人の知人に感想を聞いたところ「痛みが弱まるというより、とにかく眠くなって、気づいたら子宮口が全開になっていて、もう生まれるからいきんで!と助産師さんに起こされた」と言っていました。

硬膜外麻酔

硬膜外麻酔は、背骨の中にある硬膜という膜の外側に極細のチューブを刺し、そこから液体状の麻酔薬を注入する麻酔の方法です。局所麻酔のため、麻酔をしても意識はあります。

薬の量によって、随時強さを調整することができるので、痛みを感じた時は薬の追加をお願いすることもできました。

上記3つの麻酔を併用することも可能と聞いていましたが、私が出産した際は、硬膜外麻酔のみを使用しました。

無痛分娩は本当に痛くない?

“無痛分娩は本当に痛くないのか?”

これが、私が産前に一番気になっていたポイントですが、

答えはズバリ、

麻酔が効いた 後は 全く痛みがない

でした。

麻酔が効いている間は、内診でドクターの手を丸ごと突っ込まれた時も、赤ちゃんを外に出すために全力でいきんでいた時も、全くと言っていいほど痛みは感じませんでした。

しかし、私が出産したグレンイーグルス病院の場合は、子宮口が4cmになるまでは麻酔を打たないという方針だったため、それまでは陣痛の痛みに耐える必要がありました。

私が病院に到着した時は、子宮口が2cmの状態で、その後陣痛促進剤を投与し、子宮口が4cmになるまで約3~4時間を要しましたが、その間は麻酔なしで過ごしていました。

そのうち最後の30~40分は、陣痛のレベルが60~80に達しており(※MAXは100)、「生理痛のちょっと強いやつ」の範疇をはるかに超えた痛みがありました。
 

陣痛レベルは、TOCO数値として表示されます

しかし、その後一度麻酔を入れると、約15分で効果が出始め、嘘のように痛みが消えていきました。

この時は麻酔医が神様に見えました。

その後は、出産の時まで約8時間、テレビを見たり、本を読んだり、談笑したり、携帯をいじったりしながら、心おだやかに過ごすことができました。

ちなみに、硬膜外麻酔のチューブを入れる際には、最初にチクっと針を刺す痛みがあり、その後はチューブを刺した周りに鈍痛を感じたものの、我慢できないほどの痛みではなく、処置は1〜2分で完了しました。

無痛分娩時は歩くことが出来る?

こちらに関しては、基本的には歩けないと考えた方が良さそうです。

というのも、私がバースプランを考えた際に、ドクターから「歩ける麻酔と歩けない麻酔があるけど、どちらがいい?」と聞かれ、私は「歩ける麻酔」を選択していたにも関わらず、出産当日は、麻酔後ベッドに貼り付けになり、次に地面に降り立ったのは、出産翌日の午後でした。

麻酔の強さ自体は、立って歩ける(=足に力が入る)程度の強さだったのかもしれませんが、背骨には麻酔用のチューブ、左腕には栄養補給用の点滴、右腕には血圧を測る機械、尿道にはカテーテルをつけられていたので、結果としてベッドから離れられないという状況でした。

また、麻酔後には、トイレにも行けなくなるので、麻酔をする前に下剤を入れて腸内を綺麗にし、麻酔をした後には尿道カテーテルを装着されました。

陣痛に耐えながらの下剤投入は、恥ずかしさと痛みで心身ともにとても辛かったです。

尿道カテーテルは麻酔が効いてきた頃に入れたので、そこまで痛みはありませんでしたが、思ってたよりも奥の方までチューブが入ったため、異物感がありました。

無痛分娩の副作用は?

無痛分娩時に行う硬膜外麻酔の副作用として、体のかゆみや震え、発熱などが発生する場合があるようです。

かゆみ、眠気、シバリング(ふるえ)や発熱といった副作用が報告されている。硬膜外麻酔は、稀ではあるが重度の合併症を起こすことがある。たとえば、注入後長期間持続する頭痛や神経損傷などである。

引用元:cochrane
私の場合は、悪寒、発熱(38度)、手足の震えの症状が出ましたが、陣痛と比べたらどれも大した症状ではなかったです。

ただし、出産時の発熱は胎児に悪影響となる可能性があるそうで、なるべく早く熱を下げるために、冷えピタを貼り、布団は最小限にして、部屋の冷房を強め、大きな扇風機もつけられ、分娩直前まで寒さのためにガタガタに震えていました。

麻酔が切れた後の痛みは?

無痛分娩で出産をしても、出産の数時間後には、麻酔が切れるため、後陣痛による下腹部の痛みや、会陰の傷の痛みに耐えなければいけません。

私の場合は、後陣痛はあまりなかったのですが、股がパンパンに腫れ、ヒリヒリとした痛みがあり、出産当日の夜は痛くて寝付けないほどでした。

出産翌日には、強めの痛み止めも処方され、少し楽になりましたが、完治するには数週間かかりました。

無痛分娩の費用は?(マレーシアの場合)

最後に、私がマレーシアで出産した際に無痛分娩にかかった費用についてもご紹介します。

今回の無痛分娩に掛かった費用は、RM2,084(日本円で約53,700円※記事執筆時)でした。

無痛分娩に掛かった費用について、病院から明確に説明を受けた訳ではないのですが、退院時に受け取った明細の中に、麻酔医からの請求という項目があり、その合計金額がRM2,084だったため、RM2,084を無痛分娩のための追加費用と捉え、ご紹介しています。

なお、この金額には、麻酔の処置代だけではなく、担当麻酔医による回診の費用(=分娩時や産後のフォローアップ)も含まれています。

回診の回数はケースバイケースで、回診の単価もドクターによって、また、営業時間内か外かでも変わるので、上記金額は参考としてお考えいただければと思います。

おわりに

この記事では、私のマレーシアでの無痛分娩の感想についてお話しました。

麻酔の効き具合や副作用は個人差も大きいところですが、この記事が一つの体験談として参考になれば嬉しいです。

もし、不明な点などあれば、コメント欄にてお知らせいただければ可能な範囲でお答えさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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