2018年末に妊娠が発覚して以来、マレーシアでのマタニティーライフについて記録してきた本ブログですが、2019年7月に無事第一子を出産したので、これまでに書いた50超の記事の総集編として、マレーシアでの出産レポートをまとめたいと思います。
主な内容は以下の通りです。
- 病院‧ドクター選び
- 妊婦検診の回数‧頻度、内容、費用
- 両親学級
- 分娩‧入院時の記録
- 海外出産に必要な英語力
- マレーシアの産休事情
それぞれの概要をご紹介しながら、詳細記事へのリンクも貼っています。
約6,000文字と長文になりますが、お付き合いいただけますと幸いです。
▼以下の目次から各項目にジャンプすることもできます。
病院選びについて
マレーシアで妊娠が発覚した際、第一のハードルとなったのが、病院選びです。
病院選びの様子はこちら >>マレーシアでの産婦人科選びと初回検診予約 の記事でもご紹介していますが、
クアラルンプール で日本人が多く出産をしているのは、パンタイ病院、グレンイーグルス 病院、プリンスコート病院の3つ。
その中から私は今回、グレンイーグルス病院を選びました。

結果、総じて満足のできる出産ができ、もし自分の友人がマレーシアで出産をするなら、是非グレンイーグルスをおすすめしたいと思っています。
あくまで個人の感想ですが、以下に、グレンイーグルス病院の良かった点と残念だった点をまとめたので、参考にしていただければ幸いです。
グレンイーグルス病院の良かった点
- 信頼できるドクターに出会えた
- 通訳さんがとても親切で頼りになる
- 分娩時にお世話になった麻酔医と助産師も経験豊富で人柄が温かい
- 日本人患者が多いという安心感
- 週末に両親学級を開催している
- 建物はやや古いが、内観は綺麗
- スタバなどのカフェがある
- 入院食に複数のオプションがある(※味は特段美味しくない)
グレンイーグルス病院の残念だった点
- 家から遠い、朝晩は渋滞がある
- AIGの海外保険のキャッシュレス診療が使えなかった(妊娠‧出産関連費用はそもそも海外保険適用外です)
- 母乳指導がスパルタ(でもそのおかげで母乳育児ができるようになりました)
マレーシアの総合病院の制度とドクター選び
マレーシアの総合病院は、個人の開業医の集合体のようになっており、「〇〇病院の〇〇科を受診する」という選び方ではなく、「〇〇病院の〇〇科のDr.〇〇のクリニックを受診する」というように、患者自らがドクターを選んで受診する仕組みになっています。
通常は紹介や口コミでドクターを選ぶようですが、特に目星がついていない場合は、日本人通訳の方に相談すると、自分に合ったドクターを紹介してもらえます。
▼ドクター一覧

私は初回の妊婦検診の待ち時間に、通訳さんから各ドクターの特徴について詳しく説明をしていただいた上で、「腕が確かで信頼でき、日本人患者も多く、サバサバとしていて親しみやすい女性ドクター」という希望を伝えたところ、今回お世話になったDr.テレサを紹介してもらいました。
妊婦検診の様子
続いて、グレンイーグルス病院での妊婦検診の様子についてご紹介します。
母子の状況によって違いはあるかと思いますが、私が受けた妊婦検診の回数と頻度、内容、費用について記載していきます。
妊婦検診の回数と頻度
私の場合は、妊娠確定~産前まで、計12回の妊婦検診を受けました。
検診の頻度は、1~8ヶ月までは基本的に月に1回(第2回と第3回の間のみ2ヶ月空きました)、9ヶ月は2週に1回、臨月は1週に1回の頻度で検診が行われました。
妊婦検診の内容
妊婦検診の内容としては、基本的に毎回行われるのが、体重測定、尿検査、血圧測定、問診、エコー検査(後期はやらない回もあり)。
その他、回によっては、血液検査、出生前診断(希望者のみ)、GBS(B群溶血性連鎖球菌)検査、内診、糖耐性試験(シュガーチャレンジ)などの検査が行われることがありました。
妊婦検診の内容は、日本とあまり変わらないかと思いますが、エコーは初回から毎回経腹で、内診の回数も少なかったです。

妊婦検診の内容について、以下に各回のレポートへのリンクをまとめていますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
<第2回>11週5日目(3ヶ月)※出生前診断実施
<第3回>20週1日目(6ヶ月)
<第4回>25週1日目(7ヶ月)
<第5回>29週1日目(8ヶ月) ※シュガーチャレンジ実施、詳細はこちら
<第6回>32週1日目(9ヶ月)
<第7回>34週1日目(9ヶ月)
<第8回>36週4日目(10ヶ月)※GBS検査実施、バースプラン作成
<第9回>37週4日目(10ヶ月)
<第10回>38週4日目(10ヶ月)
<第11回>39週4日目(10ヶ月)
<第12回>40週0日目(11ヶ月)
妊婦検診の費用
次に、妊婦検診にかかった費用ですが、12回の検診の総額がRM8,978(約23万円)でした。
各回の料金は以下の表にまとめています。

マレーシアでの出産の場合、日本のように自治体からの補助が出ないため、全額自己負担となります。
ドクターによって、金額設定に差があるので、詳しくは日本人通訳の方にご相談いただければと思います。
この記事では、2019年7月に、マレーシアで第一子を出産した際にかかった出産費用についてお話します。マレーシアでの出産費用は、私が妊娠した際に一番知りたかった情報なので、毎回の検診にかかった費用や出産・入院の費用など、内訳[…]
両親学級について
両親学級は、妊娠8ヶ月の頃に、グレンイーグルス病院で開催されているもの(全3回、全編英語、費用はRM220)に参加しました。
クラスはいずれも土曜日午後の開催で、前半2回は講義形式、第3回はマタニティーストレッチや呼吸法の実践という構成でした。
合計約8時間の講義に加え、分娩室の見学ができたり、マタニティー&ベビー用品の試供品がもらえたりと満足できる内容でした。


両親学級の詳しい内容や感想は、以下、3回に分けてご紹介しています。
なお、下記のサイトにマレーシアで受けられる両親学級の一覧が載っていたので、両親学級選びの際に参考にさせていただきました。
分娩の様子
続いて、グレンイーグルス病院での分娩時の様子についてお話します。
私は今回が初産で、子供は一人(単胎妊娠)、予定日前日に無痛の経膣分娩で出産をしました。
妊娠期間中、母子ともに目立った健康上の問題はなかったのですが、子供がやや小さめだったのと、予定日直前の妊婦検診で羊水量の減少が見られたため、急遽陣痛促進剤を使った計画分娩を行うことが決まりました。
詳細は別記事にてまとめていますが、計画分娩を行うことに決めた最後の妊婦検診の2日後の早朝に病院入りして、陣痛促進剤を投与し、その日の夜20時過ぎに子供が生まれました。

なお、今回無痛分娩で出産しましたが、無痛分娩でも痛みはゼロではありません。子宮口がある程度開くまでは麻酔を打つことができず、その間は陣痛に耐える必要があります。
しかし、麻酔を打った後は、すうっと痛みが消え、出産時まで心安らかに過ごすことができ、無痛分娩にして本当に良かったと思っています。
無痛分娩については、>>無痛分娩の体験談 ~痛みはゼロ?副作用は?麻酔はどう打つの?などの疑問にお答えします~ という記事にも詳細な感想をまとめていますので、検討中の方や実施予定の方は、是非チェックいただければと思います。
入院時の様子
続いて、グレンイーグルス病院での産後の入院中の様子について、ご紹介します。
入院期間、病室の様子、入院中の生活スケジュール、病院食、入院時の持ち物について詳しくお伝えしているので、これから入院される方は参考にしていただければと思います。
入院期間
私は今回、出産日を含め3泊4日の入院をしました。マレーシアの場合、1日、2日で退院することも多いようなので、やや長めの入院期間でしたが、その間にしっかり体を休めることが出来て良かったと思っています。
病室の様子

こちらが、今回私が泊まったシングルルーム(1泊RM250)の部屋の写真です。
室内には可動式ベッド、ソファー、棚、クローゼット、シャワー、トイレが備え付けられています。
また、1泊RM30の追加料金を払うことで、付添人用の簡易ベッド(マットレス)を借りることも出来ました。
入院中の生活スケジュール
続いて入院中のスケジュールですが、入院中は朝から晩まで、ちょこちょこ人が部屋に出入りして慌ただしいです。
- 3-4時間に1回授乳のために運ばれてくるベビー
- 3食+おやつ2回の配膳、その前後に薬の処方
- 血圧、体温測定
- 産婦人科、小児科、麻酔科、母乳外来の回診
などなど。
産後は体のダメージが大きいので、基本的には病室のベッドの上で1日を過ごします。
なお、グレンイーグルス病院の方針として、入院中くらいはゆっくり休んで、母体の回復に努めなさいとのことで、基本的には赤ちゃんをナサリーで預かってくれていました。
病院食
グレンイーグルス病院では、1日3食+おやつ2回分の病院食が出ました。
朝昼晩の食事のメニューは、前日に以下のような紙が渡され、主食、主菜、副菜、スープ、飲み物、果物をそれぞれ選ぶことができました。

▼実際の病院食の写真はこちら(メニューは一例です)



主菜は産褥食らしく、生姜味の味付けのものが多かったです。
個人的にはおかゆとスープが美味しいと感じました。
また、おやつは毎日朝10時と15時頃に、パンや焼き菓子などが1品とミロが支給されました。
入院時の持ち物

入院時の持ち物は、こちら >>【夏生まれ×普通分娩用】陣痛バッグ・入院バッグの中身 という記事で詳しくご紹介しています。
今回の記事では、中でも、特に持っていってよかったものと、(実際持っていかなかったけど)持っていくべきだったと思うものをピックアップしました。
- 本などベッドの上で出来る暇つぶしグッズ(分娩中‧入院中ともに空き時間が多いです)
- 産褥ショーツ(毎日傷口のチェックがあったので、マジックテープ付きが楽でした)
- 産褥パッド(病院でも用意はありますが、裏にプラスチック&シールが無く、漏れが心配で使いませんでした)
- 搾乳機(初乳を出すために刺激&乳腺が張ったときに使います)
- ストロー付きペットボトルキャップ(分娩時から入院中まで大活躍でした)
▼なお、最後のストロー付きペットボトルキャップは、マレーシアのダイソーでも種類豊富に取り扱われていました。

マレーシアで出産するのに必要な英語力
続いて、マレーシアで出産する際に必要な英語力についても、簡単に触れたいと思います。
この記事の序盤でご紹介したようなパンタイ・グレンイーグルス・プリンスコートと行った総合病院で出産する場合、普段の検診時は、希望すれば通訳さんが同席してくださるので(無料)、英語があまり話せなくても問題ないかと思います。
しかし、分娩時は通訳さんが常に同席することはできないので、妊婦さんご自身か立会いをするご家族が直接ドクターやスタッフとやりとりしなければなりません。
難しい医学用語を覚える必要はありませんが(難しい単語はGoogle翻訳を使えばOK)、日常会話レベルの英語力がないとマレーシアでの出産は難しいと感じました。

マレーシアでの出産を決意する際、あらかじめ覚悟しておかなければいけないことの一つに「外国人に囲まれて、一人で分娩に臨まなければならない可能性がある」という点があると思います。というのも、普段の検診の際は、日本人の通訳さんに同席してもらうこと[…]
マレーシアの産休‧育休事情
最後に、マレーシアで働きながら出産をされる方に向けて、マレーシアの産休‧育休事情についても簡単にご紹介します。
マレーシアの産休‧育休(Maternity Leave)は日本に比べて短く、産前産後で計2~3ヶ月というのが一般的です。短いですが、この期間は基本的に有給になり、会社から100%の給与が支給されます。
会社によっては、本人の希望によって無給の休暇を延長することができ、私も有給3ヶ月と無給3ヶ月の計6ヶ月の休暇を取りました(その間、イミグレに事前相談の上、就労ビザでマレーシアに滞在予定です)。
なお、日本の会社に所属している駐在員であれば、産休‧育休手当、出産‧育児一時金、各種税金の免除なども受けられますので、早めに会社の労務担当に相談するのがオススメです。
マレーシアで出産・子育てをしようと決意した際、特に苦労したことの一つとして産休の調整があります。女性社員が海外赴任中に妊娠・出産をするのは、今回が会社史上初めてのケースだったため、規定も整っておらず、ほとんどゼロから産休・育休のカスタマイズ[…]
おわりに
かなり長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
私自身、今回が初めての出産、しかもいきなりの海外出産ということで、はじめはわからないこと・不安なだらけ。
たくさんググって、多くのブログのお世話になりながら、何とか乗り切ることができました。
その間に、私が調べたこと・聞いたこと・失敗したことなどが、これからマレーシアで出産される方の参考に少しでもなれば・・・という思いでこのブログを続けてきました。
当ブログのマレーシアでの妊娠・出産編は、今回で完結となりますが、今後は海外子育て編として、引き続き記事をアップしていきますので、またお付き合いいただけると幸いです。
よろしくお願いします!